プロフィール
吉川真由さん、馬橋沙季さん 山村国際高校 2018年卒業。山村学園短期大学在学中。
――山村国際高校を2018年3月に卒業し、山村学園短期大学の子ども学科に通われているお二人にご登場いただきます。子ども学科の特徴と印象に残っている事柄について聞かせてください。
馬橋 子ども学科は、保育士と幼稚園教諭の免許を取得して、保育所や幼稚園、福祉施設などの「保育者」になるための学科です。1年次に幼稚園での5日間の教育実習、保育所及び施設での12日間の保育実習・施設実習、2年時には15日間の教育実習、12日間の保育実習または施設実習と、計5度の学外実習があります。実習の期間中は毎日が本当に大変で、寝不足にも悩まされましたが、子どもたちの笑顔に励まされながら最後まで頑張ることができたのはいい思い出です。
吉川 そうですね。子どもたちの登園から降園までの主活動に加えて、日誌や指導案を書く必要がありました。なんとか書いて提出するのですが、そのたびに真っ赤になって返ってくるんです。睡眠時間を削りながら修正を加え、再提出するのですが、肉体的にも精神的にも辛いものがありました。ただ、「先生!」と叫びながら駆け寄ってきてくれる子どもたちの笑顔を見ていると、疲れが吹き飛ぶんですよね。
――そもそも保育者になろうと思われたきっかけは何だったのでしょうか。
馬橋 子どもと遊んだり、世話をしたりするのが好きだということに尽きますね。
吉川 私の場合は、妹の存在が大きいですね。私が小学校6年生のときに生まれた、ちょうど一回り下の妹なのですが、オムツを交換したり、ミルクをあげたりするのが楽しくて、子どもの成長を見守ることの楽しさを感じたんです。
――山村国際高校に入学された理由について聞かせてください。
吉川 まずは自宅が近かったこと。それから、中学生の頃にいろいろな高校のオープンキャンパスや文化祭に参加してみたのですが、それほど魅力を感じなかったんです。ただ、山村国際高校にはピンと来るものがありました。先生方がアットホームな雰囲気で、話しやすく、居心地の良さを感じたことも大きかったですね。
馬橋 私にとっては、ライフデザインコースで高校生の頃から保育について専門的に学ぶことができる点、山村学園短期大学と連携している点が魅力でした。保育士になりたいという目標を実現するためにぴったりだと思ったんです。
――高校生活で思い出に残っていることについて聞かせてください。
吉川 授業や文化祭などの行事も楽しかったですが、一番はニュージーランドへの修学旅行、とりわけファームステイですね。英語の勉強は結構していたので、ニュージーランドでもそれなりに通じるかなと思っていたのですが、“訛り”の問題もあったのか、なかなかうまくいきませんでした。オークランドにある南半球で最も高い建造物「スカイ・タワー」のハンバーガーショップで「フィッシュ・バーガー」を食べようとしたのですが、何度注文しても「ワッツ?」「ワッツ?」と言われてしまって……それも今となってはいい思い出ですし、世界ってこういうものかと思いましたよ。
3年生の体育祭でみんなでダンスをしたのも忘れられない思い出ですね。女子は恋ダンス、男子がビッグバンの曲だったと思うんですが、クラスごとにカラーを決めて、ダンス部の子に振り付けを教えてもらいながら、みんなで踊りました。
――山村国際高校の卒業生でよかったなと思うことはありますか。
吉川 実を言うと、私はしょっちゅう母校に遊びに来ているんです。先生と話をしにきたり、事前に電話を入れたうえで学食にご飯を食べにきたりするのですが、卒業生である私をいつも温かく迎えてくれる心の広さ。この学校の卒業生で本当によかったと思っています。
馬橋 母校を訪ねる機会はあまりないのですが、たまに戻ってきたときに、先生が「馬橋さんだよね」とおっしゃってくれる。先生方にとっては何千分の1の生徒でしかないはずなのに、顔と名前を覚えてくださっているのは、本当にすごいと思うし、うれしいことですよね。
――高校の同級生とは、いまもつながりがありますか?
吉川 3カ月に1度ぐらいのペースで、定期的に会ってますよ。今度も、同級生とお泊まりで女子会をやるんです。もう6回目か7回目じゃないですかね。去年はクリスマスも一緒でした。
馬橋 ライフデザインクラスの友達は2年間ずっと一緒で仲がよかったので、早く同窓会をやりたいですね。
――今後の目標について聞かせてください。
馬橋 今度の4月から、母園の幼稚園の先生になることが決まっています。ライフデザインクラスや短大で学んだことを生かして、理想としている保育士に一歩でも近づけるよう頑張っていきたいと思っています。同僚の先生や保護者の皆さんの信頼を得ながら、子どもたちに「幼稚園、楽しい」と思ってもらえるようなクラスづくりができるようになるのが目標です。
吉川 私も4月から母園の認定こども園の先生になることが決まっています。高校時代にライフデザインクラスで保育検定の勉強をした経験は、短大の講義や実習でも本当に役に立ちました。今後は、子どもたちからは「早く先生に会いにいきたいな」と言ってもられるような、また、保護者の皆さんからは「先生が担任でよかった」と言ってもらえるような、そして、同僚からは頼りにされるような存在になりたいと思っています。
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