ブログ

胡蝶蘭に“思い”を乗せて。バスケ部で学んだ大切なこと

黒臼 なつみさん プロフィール

2008年山村学園高校卒業。ベルエポック美容専門学校を卒業し、株式会社一蔵を経て現職。

――高校卒業からこれまでの経歴と、現在の仕事内容について聞かせてください。

黒臼 高校卒業後はブライダルのスキルを身につけられる美容の専門学校に進学。若者向けの振袖の販売や着付け教室などの事業を展開する呉服店で約4年間働いた後、現在は、2015年11月にオープンした胡蝶蘭専門店「らんや小石川店」の店長として店舗運営に携わっています。もともと実家は、さいたま市の見沼区で胡蝶蘭専門農園を営んでいたのですが、胡蝶蘭は非常にデリケートなだけに配送が非常に難しかった。そこで、店舗と都内への配送の機能を兼ね備え、かつ、胡蝶蘭に囲まれてお茶ができるカフェを併設した「らんや小石川店」を設置。胡蝶蘭は生まれたときから身近な存在でしたし、生産者が膨大な時間と手間をかけて、丹精込めてつくった製品を販売するという意味では、前職の呉服店とも共通する部分がありました。私にとっては新たな挑戦でしたが、戸惑いは特にありませんでした。

――仕事をする上で大切にしていることを聞かせてください。

黒臼 何といっても、お客さまとのコミュニケーションですね。胡蝶蘭をご購入されるお客さまは、ご自宅での観賞用というよりも、贈答用に購入されるケースが少なくありません。したがって、お客さまの思いやお気持ちはもとより、お客さまと胡蝶蘭をお贈りする相手との関係性をしっかりと汲み取ることがとても大切です。例えば、政治家の先生や、有名人に胡蝶蘭をお贈りする場合と、お知り合いの退院祝い、ご家族の喜寿・米寿のお祝いに胡蝶蘭をお贈りする場合とでは、おすすめする商品は自ずと違ってきます。「おばあちゃんの喜寿・米寿のお祝いに、孫一同で5万円の胡蝶蘭を贈りたい」というお客さまに対しては、おばあさまの生活環境をお伺いしたうえで、ご高齢の方がお一人でこの鉢植えの世話をすることを考えますと、持ち運びや管理が無理なくできる胡蝶蘭をご提案することもあるんですね。

お客さまのニーズにぴったり合った胡蝶蘭は、お客さまによって違いますし、必ずしも正解があるわけではありません。お客さまお一人お一人にしっかりと寄り添いながら、数ある贈答品の中であえて花を選んでくれたお客さまの“思い”、そして、約3年もの歳月をかけて丹精込めて育て上げる私たち生産者の“思い”を一緒に乗せられるようにしたい。そんな思いを胸に、日々、親切かつ丁寧な接客を心掛けています。

――高校生活で頑張ったことについて聞かせてください。

黒臼 頑張ったことといえば、何といってもバスケ部ですね。山村学園高校に入学したのはバスケ部に入りたかったからですし、高校時代は完全に部活中心の生活でした。素晴らしい先輩に恵まれ、多くのことを教えてもらいましたが、その中でも最も印象に残っているのは、“相手の気持ちを考える”ということです。

――具体的にはどのようなことでしょうか。

黒臼 当時は、チーム内でのレギュラー争いも激しく、自分自身のパフォーマンスをいかに高めるかということに一生懸命で、メンバーになれなかった仲間の気持ちに思いをはせる余裕はありませんでした。そんなときに当時の3年生が、それではいけないと教えてくれました。その言葉や意味に心を強く打たれたことを今も鮮明に覚えています。先輩の教えは私の生き方や考え方の軸となり、お客さまの立場に立って物事を考えるという点で、現在の仕事にも活きています。

バスケ部の仲間たちとは、山村学園高校のOGが中心となってつくった社会人バスケットボールチーム「NAVY」を通して交流を続けています。とりわけ、私の時代のチームは、当初はなかなかまとまらず、苦戦を強いられていたのですが、夏のインターハイ予選を機に一つにまとまり、県大会で初めて優勝することができました。それまでの苦しかったことや辛かったことが全て報われたような達成感というか、心の底から喜べた瞬間だったことを今でも覚えています。そんな貴重な経験を共にした仲間と今も交流があることがとても嬉しいですし、宝物です。

――むらさき会の活動に期待することはありますか。

黒臼 卒業生や恩師の先生方とフランクな感じで集まることのできるイベントがあれば、参加してみたいと思います。高校生の頃から、いつか恩師の先生方とお酒を飲める日が来たらいいなと思うことは高校生ながら憧れでしたので。FacebookやInstagramなどSNSで、イベントの案内を受け取ることができるようになるといいですね。

――最後に、今後の目標について聞かせてください。

黒臼 プライベートな目標としては、結婚して、幸せな家庭を築くことですね(笑)。仕事に関しては、胡蝶蘭の素晴らしさをより多くの人々に伝えていきたいと思っています。胡蝶蘭のいちばんの魅力は生命力、つまり、“生きている”ということを実感できるということだと思います。つぼみが花開したり、花がしおれたりと、日々変化する胡蝶蘭の姿に私たちの感情は揺り動かされるのですね。「らんや 小石川店」では、お好きな胡蝶蘭をお持ちの鉢などに寄せ植えしていただく“バイキング”のほか、植替え講習会、フラワーアレンジメントづくりといったイベントを定期的に開催しています。胡蝶蘭の存在をより身近に感じていただき、もっと気軽に楽しんでいただけるようにしたいと思っています。

胡蝶蘭専門店「らんや 小石川店

〒112-0002 東京都文京区小石川5-38-12
tel.03-3868-2612
月-金 10:00~18:00
土 10:00~17:00(日祝定休日)
カフェ営業時間 月~土 10:00~16:30(日祝定休日)

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP